Vol.6

石垣栽培と伝説のいちご!!

今回は、静岡県久能山に日本の育成品種第1号「福羽」を訪ねてきました。

イベント参加(※いちごなできごと 2008年2月15日参照)のための東京出張を利用し
念願だった「石垣栽培」と「福羽」の取材を計画。

静岡県久能山にある「常吉いちご園」に取材依頼の電話をしました。
事情を説明したら快く取材の了解をえました(^^)
こちらの農園は、石垣栽培のいちご狩りができるところで、
石垣いちご栽培を誕生させた農家です。
玉石による石垣栽培を継承し、初期のころの栽培風景を垣間見れ、
日本のいちご育成品種第1号の「福羽」を、今も大事に栽培しています。

せっかくなのでいちご狩りも楽しんでみようと思います。

期待もふくらみ、準備万端!
さあ!まずはイベントのため東京へ出発です。

   2月14日(快晴)
   ハラハラドキドキ!緊張しまくりのイベントも無事おえることができ、一安心。
   とっても面白い経験でした。
   今日は立川のホテルで一泊することになります。

   明日はお昼すぎに現地到着予定なので、AM8:00前チェックアウトでいいかな?
   ちょっと楽しみで、なかなか寝つけません(^^;
   遠足前夜の気分ってやつね!子どもみたいですなぁ・・・(汗)

   2月15日(今日も快晴)
   生まれて初めて、中央線の通勤ラッシュを体験。
   「くっ、苦しいぃぃ・・・」田舎もんには耐えられないです(--;)
   ようやく新幹線に乗り、遅めの朝食(サンドイッチ)を食べて、いざ、静岡へ!

   ひかり号なので出発から1時間ほどで静岡に到着。

        ここからはバスで移動となります。

   目的地、久能山方面へは片道4〜50分かかり、本数も1時間に1本しかありません。
   まぁ、時間には余裕をもって計画していますので問題なし。のんびり行きましょう!!


   驚いたのは今日の気温。天気に恵まれ快晴、2月とは思えないほどの暖かさです。
   バスの中では、コートなんて着ていたら、暑いくらいです。
   そうこうしているうちに、窓の外には多くのビニールハウスが見えています。
   そろそろ目的地です。

   バスを「久能局前」で下車し、久能山東照宮に向かいます。
   久能山東照宮の鳥居をくぐった石段の上に受付がありました。

       

   南には駿河湾を見ることが出来る高台にあり、1月の平均気温が10℃という温暖なところです。
   ちょうどPM1:00。予定通りです(^^)

   受付に入ると、甘酸っぱいいちごの香りが漂ってきます。
   これは出荷できない熟しすぎたいちごを、ジャムにするために鍋で煮ている匂いですね(^^)b

      

   受付にはお母さんがいらっしゃって、私の名前を言うと、息子さん(四代目?になるのかな)を
   よんでいただきました。

   仕事の合間をぬって、最初に案内されたのは、
   「福羽」のハウス
   手前の50株ほどが「福羽」、その奥に「章姫」が栽培されています。
   「どうぞ、食べてみてください。」という嬉しいお言葉をもらい、
   さっそく、「福羽」の試食です。

        

   形は非常に細長いですね。
   食べてみた第一印象は、「とても柔らかい!」
   舌で軽く力を加えるだけで、簡単につぶれていきます。
   果汁は多く、甘みも一般に売られている程度は感じられるので、古い品種という
   イメージは全くありません。
   適度な酸味もあり「甘酸っぱさ」を感じられるいちごでした。
   (詳しくは「いちご図鑑」で)

   次に、となりの「章姫」も食べてみました。
          

   以前から、「章姫」は完熟をいちご狩りで食べたほうが良いと一番感じていた品種でした。
   未熟なもののモソモソ感が納得いかなかったのですが、さすが完熟!
   甘みが強く、酸味も感じず、果汁も多い、まさに万人うけする味です。
   これなら、人気があるのも当然です。
   
   試食も終わり受付まで帰ると、
   新品種「かなみひめ」と、ストロベリーティーのサービス

       

   お母さんから
   「先日、たんぽぽが咲いたのよ」といわれビックリ!
   あたたかいんですねぇ(^^)

   そのあと、息子さんから「かなみひめ」の石垣に案内されました。
   そこで、石垣栽培について、色々お話していただきました。
   歴史や当時の苦労話、石垣積みの重労働、栽培の工夫など。

          
   
   「石垣積みは夏場に、石屋さんと土木を一緒にするような重労働で積み上げるんです」と四代目

   7種類の肥料と磁気イオン水を使って栽培。
   イオン水は水分や養分の吸収をしやすくなるそうで、
   昨日、いちごの糖度を計ったら、19度あったらしく記録的な糖度だそうで、
   今日は15度だったそうです。
   スーパーで売っているイチゴは13度で甘いと感じるので、そうとうな甘さだと思います。
   (※石垣栽培の詳しい内容は、「いちごな雑学」で紹介)

   受付に帰ると、園主(三代目)の川島忠さんがおられました。
   70才をこえても現役で、イチゴ栽培のために1日中ハウスで作業されています。

               
   この日は、
   「朝から50箱収穫して、3時間の水やりをしてきた。休憩したら、また50箱収穫するよ」
   といわれていました。
   私が年齢を聞いたら、「26歳!」と、とてもオチャメで元気なお父さんです。

   イチゴ収穫用の箱です。
   これが1日100箱ですから、ものすごい収穫量です。

       
   受付の奥に何箱も積み上げられていました。

   福羽について気になっていたことを質問しました。
   「貴重な品種を栽培することにプレッシャーはないですか?」

   息子さん
   「種を絶やしてはいけないという緊張感でいっぱいです。病気になれば終わりですから」と、
   園主のおとうさん
   「先祖が残してくれたものだから、なんとか守っていきたい。それだけです。」

   私には想像できない苦労が隠れているような気がします。
   
   
   いちご園からの景色です
       

   1時間程度でしたが、色々お話を聞き、いちご園をあとにしました。

   行くときは気づかなかったのですが、
   帰りのバス停のそばまで、違う農家の石垣ハウスが迫っていました。

       

   最後に
   園主のお父さんの言葉で、
   「いちごは人柄がでるよ。金儲けばかり考えていると味がでないんだよ
   石垣のいちご栽培は重労働だけど、先祖が残してくれたものだから」

   と言っておられたのが心に残りました。

   本質を忘れず、手間を惜しまず試行錯誤し行動すれば、本物は見えてくる。
   と人生観まで教わったような気がしました。




   新幹線での締めの一杯。珈琲をいただきながら帰路につきました。

   今回、お世話になったいちご園さん
   石垣いちご栽培元祖「常吉いちご園」



             ※上記の内容について
             今回の内容は私が体験し感じたことを、率直に表現したものです。
             掲載させていただいた方々への、悪口、批判、営業妨害等、まったく意図しておりません。
             一個人が客として訪れたときの個人的感想であって、園の評価では決してありません。
             今回お会いした全ての方々に、・・・Special Thanks.

              苺で多くの人々が一瞬でも「幸せ」と感じるようになれれば・・・       管理人 ひがしゃん